Category: microbit
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Simplicity is the Ultimate Sophistication / シンプルis 究極:micro:bitとMaqueenで学ぶ組込み開発
はじめに 最近、MaqueenロボットカーとそのラインセンサーのPython実装に取り組む機会があった。当初は「より良い」キャリブレーション機能を実装しようとしたが、予想外の困難に直面し、結果として大きな学びを得ることになった。この記事では、その過程で見つけた「シンプルさの価値」について共有したい。 最初のアプローチ:複雑な機能を目指して 最初の計画は野心的だった。環境の変化に対応できる高機能なラインセンサーキャリブレーションシステムを作ろうと考えた: しかし、micro:bitに書き込んだ瞬間、問題が発生した。 直面した問題:制約との闘い MemoryError: Memory allocation failed 最初のエラーはメモリ不足。 機能を削って再挑戦したが、今度は違うエラーが出た: object has no attribute ‘read_analog’ さらに文字列処理でも問題が: cannot mix bytes and no bytes literals 特に文字列とバイト列の扱いが面倒だった。 通常のPythonでは当たり前のコード がMicroPythonでは動かない。.format()メソッドに変更したが、これも同様なエラーが起こる。いったい本家のpxt-maqueenはどう実装しているのだろう? 原点回帰:本家コードから学ぶ DFRobotの公式pxt-maqueenコードを調査したところ、驚くべき発見があった: なんと、本家はキャリブレーション機能すら実装していなかった!単にデジタルピンから0/1の値を読むだけの超シンプルな実装だったのだ。 バージョン5でもI2C経由になるものの、基本的にはデジタル値を返すだけの単純な実装だった。 学び:シンプルさの勝利 この発見から下記の気づきを得た: 最終的な実装 本家に倣った超シンプルなものになった: 結論:シンプル is この経験から得た最大の教訓は、「複雑な問題に対しても、単純な解決策が最良の場合がある」ということ。ハードウェアの制約を理解し、その中で最も効率的なアプローチを見つけることが重要なのかもしれない。 最初は「より良いキャリブレーション機能」を目指したが、結果的には「キャリブレーションを必要としないシンプルな実装」が最適解だった。時には、機能を増やすことよりも、不要な複雑さを取り除くことの方が価値がある。 組込み開発で成功するためには、技術的な知識だけでなく、制約の中で最適なバランスを見つける知恵が必要だということを、学ぶことができた。 参考リンク https://github.com/DFRobot/pxt-maqueen https://microbit-micropython.readthedocs.io/